YS's blog

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You only live once. ― 人生は一度きり

アメリカ生活ミニマムセットアップ(ポスドク@サンタバーバラ版)

初めてアメリカに来たのは、修士1年の頃、アメリ物理学会デンバーAPS March Meeting)に参加したときのことだった。それから4年半後にアメリカ(カリフォルニア・サンタバーバラ)で生活することになるとは夢にも思ってなかった。

サンタバーバラは海がとてもきれいなリゾート地である一方、リゾート地であるが故に田舎なので例えばニューヨークやボストン、ロサンゼルスなどと比べたらほとんど日本人がいない。もちろん知り合いなどもいなかった。そのためネット上で日本語で検索できる情報にはかなり限りがあり、事前準備や生活のセットアップで未知数なところがいろいろあった。そこで、もしサンタバーバラを含め、アメリカの都市部/田舎でポスドクなどを始める場合に参考になればと思い、そして自分が万が一またアメリカに行くことになった場合の備忘録として自分の場合の(でもある程度汎用的な)海外生活ミニマムセットアップを書き残してみる。

渡米前

  • ビザの取得(渡米2-3ヶ月前):ビザが無ければ入国できないので最重要事項である。ポスドクで行く場合はJ1ビザが必要。取得は他のH1Bなどの労働ビザに比べたら圧倒的に簡単。普通は落ちないらしい。詳細情報/必要書類は公式webを参照。DS2019(滞在/労働許可証のようなものでビザと同程度に重要)などの必要書類を大学から手に入れたら(大学の事務は遅いことがあるので、必要であればリマンドを絶えず送ったほうが良い)、面接の予約が埋まってたりするので例えば出国2-3ヶ月前に準備を始めるほうが良い。

※以下の渡米前の準備は必ずしも必須ではないし、個人の価値観に左右される部分だと思う。私は渡米直後の面倒を最小限にするために行った。

  1. 銀行口座の開設(渡米1-2ヶ月前):銀行口座は渡米後にももちろん開設できるし、その場合はChase銀行が人気である。私は渡米後の面倒を1つ減らすために渡米前に日本にいながら現地のユニオン・バンクの口座を開設できる三菱UFJ銀行パシフィックリム・カンパニーベネフィット・プログラムを利用した。日本に本帰国後も口座を閉じる必要はなく利用可能である。

  2. 家探し(渡米1ヶ月前):家探しは渡米後でもできるし、実際の部屋を見てから決めたいという人も多くいると思う。私は決め打ちでどんとこい派なので日本から契約できるなら契約したかった。ネットで調べるといろいろな方法があるが、例えば大学関係者の場合は"大学名 Housing"で検索すると専用のwebがある場合があり、そこから探すこともできる。私はUCSBのhousing専用サイトから探して、渡米前に決め打ちで契約した。すでに現地の口座とそれに付随するクレジットデビットを持っていたので契約は楽だった。サンタバーバラの治安の良さは日本と同等以上なので(サンタバーバラアメリカではない、と言われるくらいに治安が良い)、家の場所を考える際に治安はそこまで考慮しなかったけど、そうでなければ治安が比較的に良い場所の部屋を借りるのが良いと思う。部屋タイプとして単身または夫婦で住む場合は、Studio(日本で言うところの1K)かone bedroom(日本で言うところの1LDK)がちょうど良いと思う。2021年のサンタバーバラの平均家賃はStudioで1000-1500USD/月、one bedroomで1500-2000USD/月くらいである。(毎年値上がりしている。)

  3. 荷物を船便で発送(渡米3週間前):家が決まったので、必要な荷物を現地の住所にクロネコヤマトの海外引越単身プランで送った。ダンボール9箱分のミニマムコースで料金はおよそ10万円。服や下着、靴(現地だとサイズが合わないかもしれないので)、デスクトップPC、モニターx2, 炊飯器(大半のものは渡米後に揃うけど、ご飯が食べたい人は炊飯器は日本で買って送ったほうが良い気がする)、シャンプー、リンス、ボディーソープなどを送った。場合にもよるが、平時であれば1ヶ月程度で届く。本などは渡米前に可能な限りPDF化した。

  4. 現地で使えるSIMカードをHanacellで契約(渡米2-3週間前):これも渡米後に契約できるし、現地のプランの方がお得かもしれない(あまり調べていない)が面倒くさがりの私は日本で渡米直前に契約した。大学と家との往復なので基本的にWifiしか使わないし、モバイル通信であまり困ったことはない。

渡米後

※実際に最初に住んだ場所はシェアハウスだったので電気ガスの契約と必要な家具の注文は必要なく、それらについては現地で引っ越し後の話である。

  1. 電気・ガス・水道・ネットなどの契約(渡米直前or初日):これらが無ければ生活できないので初日あるいは渡米直前にネットまたは電話で契約する。
  2. 必要な家具を注文(渡米初日):寝具がなければ始まらないので、寝具を買いに行き、Amazonなどでその他家具(机や椅子など)を注文。
  3. 職場のIDカードや雇用者番号の取得(初出勤日):初出勤日にいろいろ手続きして雇用者番号とIDカードを取得。職場の健康保険にも加入する。
  4. ソーシャルセキュリティーナンバー(SSN)の取得(渡米後1ヶ月以内):現地で雇用されている場合は必須の納税者番号である。(海外学振など日本から給料が支払われている場合はどうなのか良くわからない。)雇用者番号などの情報が大学のシステムに反映されたら(1-2週間くらいかかった)、最寄りのソーシャル・セキュリティー・アドミニストレーションオフィスに行き、SSNを取得する。毎年4月15日が(日本でいうところの)確定申告の締め切り日なので忘れずに行う。ちなみに私達、国外からの一時的な労働者にとって最も大事なもの(書類)はパスポート、ビザ、労働滞在許可証(例えばDS2019)であるが、アメリカ国民にとって命の次に大事なのはSSNと言われるくらい大事なものなのである。

  5. 運転免許の取得(必要であればなるべくはやく):私は運転免許を取らなかったので詳細は分からないが、よほどの都市部でない限りは運転免許があったほうが便利だと思う。(生活には困らなかった。)パスポートの代わりに身分証明書にもなる。